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瀬戸そめつけ「眞窯」

2022.04.04 東海地方のつくりて

東海地方の魅力的なつくり手をご紹介するシリーズ。今回は瀬戸の窯元「眞窯」をご紹介します。

嬉しい出会い

和食器で白地に青色文様といえば「染付」。素焼きを終えた白地の器に、呉須というコバルト系の顔料で絵柄を描き、その上から透明な釉薬をかけて本焼きをします。

呉須で絵付けすること、それも本焼きの前に絵付けすることが染付の特徴であり、それゆえの滑らかな表面と、他にない鮮やかな発色が魅力です。

tsunaguでも、この白と藍のコントラストが美しい染付の器を扱いたいと思っていた矢先に、嬉しい出会いがありました。

染付を屋号に持つ、「瀬戸そめつけ 眞窯」さんです。

四代目の加藤真雪さんが、ご両親と3人で制作している小さな窯元です。大量生産品でも、作家ものでもない、その間のちょうどいい規模感で丁寧に作られている、作り手の想いを感じることができる器たちです。ふだん使いにもってこいの器。

花や植物、ドットやストライプ、伝統文様や幾何学模様まで、伝統的な意匠を残しながらも現代に合うシンプルでモダンなデザインに一目惚れしました。

薄く丁寧に仕上げられているので手に取りやすく、使い勝手が良いのも嬉しいですね。

眞窯を継ぐ

眞窯の創業は1919年。曽祖父の代に始まりました。

先代からデザインに力を入れるようになり、1997年に「瀬戸染付焼」が伝統的工芸品として認定されたことをきっかけに、染付の名を屋号に入れ、これに特化していくことを決心したのだとか。

真雪さんは大学卒業後、陶磁器商社で営業企画の仕事を4年間経験し、全国にあるいろんな器を見て、改めて実家の器にあるオリジナリティやその魅力に気づいたと言います。とはいえ、実家をすぐに継ごうとは考えず、陶磁器のデザインや製造方法を一から学びたいという思いで意匠研究所に入所しました。

ところが、リーマンショックの頃、実家の仕事が減っていく中で、あえてそれを手伝いたいと思ったそうです。商社時代に感じた他に無いものをここで表現していきたいと。商社時代に学んだことを生かしながら、作るだけでなく売る先のことまで考えたものづくり、消費者に寄り添うものづくりが始まりました。

加藤真雪さんとご両親の美穂子さんと眞也さん

眞窯のある瀬戸は、焼き物の代名詞「せともの」という言葉の由来の地。

日本六古窯である常滑から、瀬戸や美濃・多治見にかけて、焼き物が盛んな一大産地であることからも、この辺りが地形的にも良質な粘土層に恵まれていることが分かります。

中でも瀬戸は陶土の産地としても有名で、可塑性が強いことから形が作りやすく、作り込んだままの形に留まる力があるため重宝されています。この地域の焼き物は総称して瀬戸焼と言われていますが、瀬戸には陶器も磁器もある、非常に珍しい焼き物の町です。

瀬戸染付焼

瀬戸染付焼の白い素地の原料には、鉄分をあまり含まない地元の陶土が使用されており、濁りのないすっきりとした透明感をもつ白地に、呉須の青色がよく映えます。

青色の濃淡がどう現れるかは、素地との相性に加え、釉薬との相性が影響すると言います。釉薬に含まれる鉄分と呉須が反応することで鮮やかに発色するのだとか。

窯の内部を高温に維持したまま釉薬を熟成させる「ねらし」と呼ばれる独自の技法で、染付の青を潤いを持った青へと発色させています。焼く時に酸素を入れる酸化焼成ではなく、酸素を抜く還元焼成は高温で焼き締めるため、硬くて丈夫な器になることも特徴です。

家族で築き上げた技法

眞窯の瀬戸染付焼は、お父様である三代目加藤眞也さんが描く器の形を活かした繊細で美しいライン柄や、一方でお母様の加藤美穂子さんによる大胆な花の図柄が目を引きます。

これは陶磁器制作を学んだ経験のない真雪さんのお母様が自由に描き始めたことで、絵付けはこうあるべきだという知識にとらわれない表現が生まれ、オリジナリティが出てきたことによります。

また、染付の絵付けでは最初に細い筆で輪郭を描いてから太い筆で色を塗りつぶす「濃(ダミ)」と呼ばれる工程がありますが、これを筆で輪郭を描く伝統的な技法ではなく、鉛筆で下絵を描いてダミをするのも眞窯の特徴です。すると、絵付け時には鉛筆が呉須を弾いてくれ、焼成時にはそれが消えて素地のラインが見えてくるというものに。

さらには、染付の滑らかな表面ではなく、マットな仕上がりにするためにあえて釉薬をかけずに本焼きするアイテムも誕生。白地はマットに、呉須は青黒さが残り、モノクロ調のシックな雰囲気になりました。しかし釉薬をかければ綺麗に見える肌も、釉薬をかけなければ素地が露わになるため、より繊細な素地の仕上げが必要とされ、手間がかかます。

【FLOW】 染付眞窯 x Designer 島村卓実

それでも、手間をかけるところにちゃんとかけていれば、お客様はそれを感じてくれるもの。そこはこだわりたいと、真雪さんは言います。

その手間が分かると、使う側も嬉しいもの。大切にしたくなるものです。手描きならではの味わいが、器一つひとつの表情になる。だから、手仕事の温もりを大事にして、手のあとが見えるようなものづくりをしていきたいのだそうです。

工房横に新しく作ったギャラリーでは、器の販売だけでなく染付の過程がわかる展示もしています。

麻の葉文様など、40年前のデザインが今見ても全く古く感じない。そうした変えたくないものを守りつつ、自分が使ってみたいなと思うものを作っていきたいと話してくれました。

柔らかな風合いの白地に、凛とした藍の濃淡。瑞々しい瀬戸染付焼の器が、まもなくtsunaguでお目見えします。

ー追記ー

眞窯の正面玄関横にあるサイン”mitten” は、真雪さんの妹さん手作りの焼き菓子が並ぶ、小さな可愛いベイクショップ「ミトン」のもの。お母さま手作りの素敵な案内看板と、磁器製の案内矢印がお店まで続いています。

♪♪


染付窯屋 眞窯

愛知県瀬戸市中品野町330

TEL/FAX 0561-41-0721

URL http://www.singama.jp

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